社会課題の解決に取り組むCSOの活動をピックアップするコーナー「社会を動かすCSO」。今回は企業の視点で社会の課題解決に取り組む方にインタビューを行いました。

―― 地域創生Coデザイン研究所の取組内容について教えてください。
東山さん:地域創生Coデザイン研究所はNTT西日本グループの地域創生部門を担う会社です。自分だけで何か営業活動や物やサービスを提供したりするということではなく、地域課題の解決は地域にいる利害関係者と柔軟かつスピード感をもって変革を進める必要があるため、NTT西日本グループ内で、地域創生に特化した組織として活動しています。
地域には地域課題や社会問題がたくさんあり、その課題を解決している人たちは自治体や行政、NPO、CSOの方々がさまざまな課題解決に取り組んでいます。場所やエリアによっては地元の企業が旗をふって課題解決に取り組んでいる会社もありますが、我々は地域課題を解決しようとする地域の主体の方たちを後ろから支える「伴走支援」を行っています。
伴走支援にもさまざまなプロセスがあり、地域課題といっても街の中や人によってコンセンサスがバラバラなんです。それぞれの地域課題がそれぞれの視点であるためすべて間違いではないんです。まずはどこから手をつけていくか、一番の地域課題はなにか、この街で一番大事にしたいことや目標などの課題探索の段階から入り、解決シナリオの作成、計画への落とし込み、社会実装までを支援します。
現在約60名の研究員がおり、コンパクトな組織であるため、まちづくり、観光、森林DX、医療の4分野を中心とし、その周辺領域の課題解決に取り組んでいます。
―― 地域の方が主体となり課題解決に取り組めるよう伴走支援をされているんですね。黒子のような存在に近く、大阪NPOセンターの役割にも近しい部分を感じました。東山さんが取り組まれた課題解決の事例について教えてください。
東山さん:昨年6月までNTT西日本の富山支店長を務めていました。NTTグループはさまざまサービスを提供していて、一般家庭でも企業でもNTTグループのサービスを利用している方が多く、地域に行くとより利用者が増えるということもあり、しっかりと地域に貢献しないといけないという使命をもって取り組んできました。
富山支店長時代に行った具体的な地域貢献の活動としては主に2つの取り組みを行いました。1つは子ども食堂支援などの地域コミュニティ活性化、もう1つは富山湾の魚を海外に販路拡大する産業振興です。
―― 企業として地域貢献活動を実践されていた視点から、NPOやCSO等の他の主体との連携において工夫や重要としているポイントはありますか。
東山さん:例えば子ども食堂に企業として何か取り組もうと思えばできるかもしれませんが、やはり柔軟性やスピード感が追いつかない面があります。しかし、NPOやCSOの方々は本当に想いが溢れていて、自治体からの補助金等があるわけでなく、自らのお金や時間を持ち出して活動されています。そういった方々は立派であり、企業が前に出られないかわりにNPOやCSOの方々が前で頑張れるよう企業は活動を応援し、後押ししないといけないというスタンスでした。しかし、企業1社だけでは1つの子ども食堂も支え続けることは難しく、1つの子ども食堂を支援するならば、近所の複数の企業が支援するという形が理想だと思っています。資金が続かないことが地域課題解決の大きな問題であり、継続的な支援の仕組みづくりが重要だと考えています。
また、産官民の連携が大事だと思っています。民のCSOの方々は課題解決の最前線で活躍していただくこと、官の行政はCSOの活動を応援し、その活動をアピールしていくことが役割だと思っています。産の企業は複数の企業が集まりCSOを応援することが役割だと思っていて、そのためには行政と企業が連携協定を結ぶなどのお墨付きが必要であり、それを仕組み化できないかと考え、取り組んでいました。
―― 貴社で取り組んでいるまちづくり、観光、森林DX、医療の4分野において、NPOやCSO等との連携事例はありますか。また、今後はどのように連携していきたいとお考えですか。
東山さん: 我々が対峙しているパートナーは自治体が多く、地方創生コンサルに注力するとNPOやCSOとの接点が少なくなってしまうため、まだあまりないというのが実情です。ただ、先日登壇したCSOフォーラムでCSOの方々の取り組みを伺い、CSOの皆さんが地域創生の根幹部分を担っていることを理解することができました。我々はいま、4分野(まちづくり、観光、森林DX、医療)の課題解決を強みに取り組んでいるのですが、ただ、この課題は知られている内容なんですよね。先日のCSOフォーラムで発表されたCSOの方々はまだ課題が知られていない分野に取り組んでいるんですよね。例えば、DV被害者を守るための家を作る、障がい者の雇用を作る、行き場のない若者を守るなど、社会の根っこの部分を理解した上での地域創生コンサルティングが重要だと感じています。
CSOフォーラムを通じてCSOの方々の活動内容を理解することができたので、地域創生Coデザイン研究所としてもCSOの方々と何らかの関わりを持っていきたいと思っています。社会を良くする目的だけでなく、我々が地域創生コンサルティングを行うにあたり、このような現状をまずは理解することが重要であり、理解した上で我々に何ができるかを考えていきたいです。
※株式会社地域創生Coデザイン研究所の取組内容はこちら
https://codips.jp/